2017年3月9日木曜日

鈴木明子さんのスケートが好きだった。

(初出:2016年3月@Google+)

プルシェンコや浅田真央ちゃんのような「星から降ってきた天才型」ではないけれど、鈴木明子さんのスケートにはいつも最後に泣かされてしまう。

photo by Luu
Wikipedia 鈴木明子の項からお借りしました。)




「今、こうしてみんなの前で滑ることができて、私は最高に幸せ!この嬉しさ、みんなに分けてあげたい!」という彼女の心からの叫び。
それが画面から溢れ出て来て、観ているわれわれを強く揺さぶるから、じゃないかな。


彼女の滑りを見終えると、涙と共に心の棘々やら苛々やらがきれいさっぱりと洗い流されているのに気付く。
気分、爽快。
努力型の人が様々な苦労を乗り越えた末、その人ならではの美しい大輪の花を咲かせる姿っていうのは、何度見てもいいものだ。
人間という生き物が本質的に持つ美しさを、われわれに思い出させてくれる。



大抵の人(もちろん、私も。)は、天才型の有名人に強く憧れる一方で、地味な努力型の方にこそむしろ自分自身の生き方や、破れてしまった夢を重ねるものだ。
だから、つい努力型の人を応援したくなる。一種の判官びいきだろうね。



鈴木明子さんご自身だって、「私は天才型ではなく、努力型。」という自己分析はスケート人生の早い時期からしっかりとされていただろう。本人より前に、指導者が気付いていただろうし。

頑張ってもなかなか縮まらないトップグループとの差に、「天才型の人達を追い越すなんて、もう、無理かも...」と絶望し、悩みぬいたことも長い選手生活の中では何度も経験されたのではなかろうか。



それでもなお、彼女は挑戦することを止めなかった。
自分なりの花を咲かせるまで、限界ギリギリまで能力を高めようと、絶えず努力し続けた。

辛くても、しんどくても、いつも笑顔を忘れることなく。



その真摯な姿に心打たれない人って、いるだろうか。

2013年の全日本選手権、堂々の優勝。ほんとうに、良かった。
誰よりも美しい大輪の花を咲かせましたね、アッコちゃん。




明子さん、現役引退後は、振付師へと転身されたそうだ。知らなかった。既に第二のスタートを切られているんだね。
持ち前の前向きな生き方でもって、たくさんの若い選手たちにいい刺激を与えてくれること、確信していますよ。
一つでも、二つでも多くの才能の花、めいっぱい開かせてあげてくださいね。










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