2017年2月16日木曜日

おめでとう!本木雅弘さん。(毎日映画コンクール・男優主演賞)

(初出:2016年7月@Google+の文章に加筆しました。)

モッくん=本木雅弘さんは、「シブがきトリオ」の一員としてデビューした時から「かっこいいな〜」と憧れの人であった。


ジャニーズタレントとして歌い、踊ることが本業ではあるんだけれど、「それだけではもったいない...」と、十代の小娘にも思わせる【何か】を、若くして既に「持って」いた。


その「何か」の正体が分かったように思えたのは、二十数年前、こちらの本に掲載された遠藤周作さんと本木さんとの対談を読んだ時。



「深い河」をさぐる (文春文庫)
遠藤 周作
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(良書だと思うんだけどなあ。遠藤周作文学の昔からのファン層と、臨死体験、死後の世界、ユングの共時性/シンクロニシティといった対談のトピックが今一つ噛み合っていないせいで、あまり評価されていないのかも。 
当時、サティヤ・サイババについての本で一世を風靡していた青山圭秀さんとの対談も収録されていますね。
実はうちには現物があるのだ。日本の実家にも一冊置いてあるんだけど、なんと、数年前、日本人学校のバザーに出ていたのを見つけて、思わずもう一冊GETしてしまった。今度面白そうな箇所を本ブログでアップしようっと。)

モッくんの言葉はあくまでも謙虚。
自分を飾ることも、偽ることもしない。


彼はインドという異質の文化圏に触れた時の生々しい衝撃を、できるだけ正直に伝えようとしていた。自分なりの言葉を使いながら。


大作家である狐狸庵先生の作品と業績に対して自分が贈ることのできる最大のオマージュは、嘘偽りの無い真摯な態度だけ、それ以外にはあり得ない...と、よく理解していたのであろう。
頭、いい。
さすがだ。


相手が売れっ子大作家なのだから謙虚になるのは当たり前じゃないか、との声もあるかもしれない。
だが、実際、そのような態度をごく自然に、わざとらしさを漂わせずに取れる人って、残念ながらそう多くはない。 つい、背伸びしたり、ツッパったり、といった感じになりがちである。 特に、若くして有名になり、周囲から常にチヤホヤされているような芸能界の大スターであれば、なおさら。


「知らないものは、知らない。」と、正直に言い切る潔さ。
 「知らない」からこそ、新しく学ぼうとする向上心。
遠藤さんとの対談からは、本木さんが持つこうした美点が読む者にもはっきりと伝わってきて、読後感がすこぶる良かった。


現在の俳優としての本木雅弘さんの活躍ぶりや、ご家族との良好な関係についての報道に接すると、「ああ、やっぱりね。」と、思わずつぶやいてしまう。
男優主演賞受賞、おめでとうございます。


あの、狐狸庵先生との対談から受けた印象、少しも間違っていなかった。


おまけ。
モッくんといえば、忘れられないラジオ番組がある。
ニッポン放送の「シブがきトリオ(※当時)夜をまるかじり」。


これ、毎週欠かさず聴いていた。
小森のおばちゃま(映画評論家の故・小森和子さん)

流れるままに、愛 (集英社文庫)
小森 和子
集英社
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とシブがきの3人組、という、今にして思えば「ホワ〜〜〜〜イ!?」な組み合わせだったんだけど。


でも、実はあの小森のおばちゃまの「孫たちをあたたかく見守るような」語り口のおかげで、番組全体がほんわかと、楽しいものに仕上がっていたような気がする。


桶川(本木さんの出身地・埼玉県桶川市)の田舎っぷりがネタにされているレギュラーコーナーまであったっけ(笑)。


昭和は遠くなったな。



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