2017年5月18日木曜日

アンカレッジのうどん屋さん①


(初出:2016年Google+)

Yahoo!ニュースで紹介されていて、懐かしい「アンカレッジ」(米国・アラスカ州)という響きについ、反応。
中身があって、ためになり、わかりやすい。
最近のYahoo!ニュースでは珍し...おっとこれは余計かな。
ともかく、良い記事だった。


今から28年前のことになる。
1989年の3月、滞在型ツアーに参加するという形で、人生初のヨーロッパへ同級生のYちゃん・Kちゃんと一緒に旅立った。
成田発、アンカレッジ経由のアムステルダム行きKLMオランダ航空の、いわゆる「北回り便」に乗って。
アムスからはそのままエールフランスに乗り継ぎ、最終目的地・パリへと向かった。


(ちなみに、同じツアーに参加した学科の先輩・Mさんは、少しでも旅費を安くするために敢えてシンガポール経由の「南回り便」を選択。もちろん、シンガポール航空利用である。
後で話を聞いたら、こちらはこちらでストップオーバーで市内観光することができて、面白かったらしい。
春なのに既に灼熱地獄だったシンガポール。「この人、ホントに生きてるのか?」と心配になるほど微動だにしない露天商の人々の姿には、ちょっとした衝撃を受けた、とMさんは語っていた。体力温存のために無駄な動きをして汗流すようなことはしない、ということなのだろう。)


当時はバブル経済真っ盛り。
学生が実入りの良い家庭教師や塾講師(←かつては高給だった...。)を夏・冬、そして平日夕方以降に気合い入れてやりさえすれば、翌春にはすんなりとヨーロッパに行けちゃう。
今から思うと、ふざけんなこのヤロー!と怒鳴りたくなってしまうような時代であった。


アンカレッジ空港のゲート近くに、うどん屋、確かにあった。
味はいいのだが、チーズ&乳製品色の濃い(オランダですからね。)KLMの洋風機内食に少しがっくり来ていた私は、紺地ののれんに白抜き文字の「うどん」に激しく心を奪われた。
だが、早々と諦めるしかなかった。だって、「米ドルの現金、持っていなかったから。」
そして、他の客が大挙してうどん屋方面へ向かっていく姿を横目で見ながら、じっと耐えた。
未だにアンカレッジのうどん屋のことが忘れられないのは、あの時の「うらめしや~」が相当激しかったかったからに違いない。


当時は海外慣れしていなかった私。
「現金で米ドル持ってないから、買い物なんて一切無理に違いない...」とあっさり諦めてしまっていたのだ。
まさかアメリカ人が1ドルや2ドルの買い物でも堂々とクレジットカード払いをするだなんて、あの時は夢にも思わなかったのである。
ちゃんとセゾンカードVISA持ってたのにね。
あー、知らないって損だ。
アメリカ暮らしもかれこれ18年近くになる今じゃ、空港でもスーパーマーケットでも、ペットボトルのお水1本にさえ躊躇することなくカードで払う毎日。
アンカレッジ空港で腹空かせていたあの時の自分に、タイムマシンで遡って、「そのカードでうどん食べちゃいな!」と教えてあげられるものなら教えてあげたいよ。


(※まぁ、さすがに個人商店や小規模ビジネスでは「カード使用は10ドル以上の買い物に限らせてもらいます」といった断り書きがあるけどね。
クレジット会社への手数料でせっかくの儲けまでパーになってしまっては、お店だってやってられないよ。それは理解できますよね。うん。)

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