2017年3月8日水曜日

出口 汪先生の昔話に、ほろり。

(初出:2017年1月@Google+)



「現代文の実況中継」(語学春秋社)、「論理エンジン」(水王舎)、「日本語トレーニング」(小学館)など、幅広い層の生徒に向けた数々の参考書・問題集を大ヒットさせている、出口 汪 (ひろし)先生。


売れっ子予備校講師だけあって、話す速度も適度だし、「間」の取り方がとてもお上手。聞いていて落ち着く。
プロとしての経験を通じてでないと身に着けられない話の上手さ、っていうものは確かにありますね。やはり実地訓練を重ねることって大事です。
さすがは大本教の祖・出口王仁三郎のひ孫だけのことはある。⇦そこじゃないって。


似てますよね。ちょっと、すごくなーい?DNAのチカラって。

http://ameblo.jp/deguchihiroshi/ からお借りしています。

今回「NHKカルチャーラジオ」で放送された講演も、きっとことばについての抽象論、もしくは出口先生お得意のテーマである「論理」の説明に終始するのだろうな~、と聞く前に大体の予想はしていた。
面白さなんてものは全然期待していなかった。


ところがどっこい、思いのほか出口先生の自伝的な要素が多かったもので、話にぐぐぐっと引き込まれて、とうとう最後まで付き合わされてしまった。

「小説大好きな出口少年/青年が、三浪した後関西学院大学の文学部に入学。そのまま大学院へと進み、研究者の道を歩き始めたところまでは良かった。 
だが、学費・生活費のために始めた国語の先生のアルバイトが
だんだん面白くなってきて、次第に本業化してしまう。【ミイラ取りがミイラになる】だ。 
研究を取るか、それとも予備校を取るか、の二者択一を迫られた出口青年、とうとう大学院をやめて予備校講師一本で行くことにした。」

前半部分のお話は、こんな感じ。


物語・小説は好き。だけど、文学研究は嫌い。
本を読むのは好き。だけど、入試問題の解き方をどうやって生徒に教えたら良いのか、見当もつかない。


ああ、わかる...😢。
私自身の過去とすっごく重なる。
私も、いわゆる「先行研究」を読むという研究者にとってはマスト!!!な作業が何よりも嫌いだったから。
ま、ズバリ言って研究者への適性はゼロに近い、ってことです。

(先行研究=自分がやろうとしている分野で、お偉い先生方がこれまでに出された諸々の学説・研究結果のことを意味する業界用語。
この、「先行研究」に目を通すことをすっ飛ばし、面白おかしいことばかり探したがるような奴が「研究者」なんて名乗れるほど世の中は甘くなかった...。)


「決して優等生ではなかった」にもかかわらず、なぜかこうして生徒さん相手にずっと国語を教えている、とおっしゃる出口先生。
思い切りシンパシー感じてしまうな~。現代文・古文・漢文、どれもイマイチどころかイマサンぐらいの結果しか残せなかった自分としては。
どうせ教わるならば、キレッキレの超エリート秀才よりは、そういう劣等生の気持ちを実体験でわかっているような、苦労人型の先生に教わりたいものだ。


同じ現代文のカリスマ講師・「今でしょ!」の林修先生(東大法学部出身)とは、この辺り、とことん対照的な経歴だと言える。
どちらが良い・悪いって問題じゃないけどね。
ただ、タイプが違うだけ。学ぶ側が、自分とより相性の良いと思う先生を選べばいいだけのこと。(残念ながら、林先生の現代文参考書は今までにお目にかかったことがない。)


林先生は、もともと数学が得意で、サラリーマン(銀行員)から予備校講師に転身した後もしばらくの間は数学を教えられていた方。
それなのに、敢えてライバルの少ない現代文に参戦することで、確実に「勝てる」ことを狙ったというんだから、すごいお人だ。
さすがは東大文一に現役で一発合格だけのことはある。


出口先生がどういうお立場からご自分の指導メソッドを組み立てていらしたかを聞かせてもらった今、「実況中継」シリーズ、そして音声講義MP3ディスク付きの「トークで攻略」にチャレンジしてもいいかな、って思えてきた。

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(この、語学春秋社の「トークで攻略」シリーズは、私のように超ヘヴィな聴覚型の学習者にとってはまさに福音のような教材でした。2000円以下なのに、一流の先生の音声講義&解説が10回分収録されているんですから!。望月先生の古典文法、本当に素晴らしい。あれこそマスターピースッ!!! 

あ、そういえば1号館のリベンジ古文体験記、途中まで行ってそのまま宙ぶらりんだったっけ...(;'∀')どうしていつもこうなんだ、私は。)
http://backtotheessencenow.blogspot.com/2017/01/5_23.html


こちらの社会人でもOK!な「論理エンジン」のDVD付教材も、実は6-7年前からずっと気になっている。
(あわよくばうちの子供に、と目論んでいたのだが、どうもうちの子は文系じゃなさそうなのでそこまで国語に時間割くわけにはいかないだろうなー、って思う。)


13万円弱、か。
ううむ...。お値段面から考えて、既にあきらめモードが濃厚だな。
...語学春秋社さんの本にしておこう。




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